「エンディングノート」の書き方  ~介護~

こんにちは。 東京大田区の終活専門の行政書士の清水 勝です。

介護と聞くと自分には遠い先のこと、と思ってはいませんか。 このように思っていると、介護についてほとんど考えることがないため、いざ介護が必要になると、パニックになりかねません。 介護は遠い先と思っていても、介護は突然やってきます。

そこで、今回の動画では、自分が介護を必要になった時に備えて、周囲の人が、対応に困らないようにするために、介護についての自分の希望を「エンディングノート」に記載しておくためのポイントを解説します。 また、自分がエンディングノートに取り組むことは、今後、皆さんの親御さんなどが突然介護を必要になった際にもパニックにならないで済みます。

さて、皆さんが病気や事故により介護支援が必要になると、介護保険に基づく「介護認定」を受けなくてはなりません。 介護認定の受け方ですが、基本は、ケアマネジャーという専門職を通して、行政に「介護認定」を申請します。 申請に基づき、行政の担当者が本人と面会して、「介護度」を決定する、という流れになります。 この「介護度」は、全部で7段階に分かれています。 軽いほうから、要支援の1と2、次いで要介護の1~5、 の7段階です。 この認定された介護度により、介護保険で受けられる介護サービスの内容と本人の負担費用が決まります。 そして、この介護度とその他の本人の状況に応じて、ケアマネジャーが、その人に合わせた介護計画を作成することになります。

さて、介護を考える際の第一のポイントは、「キーマン」です。 「キーマン」とは、他のYouTube動画でも説明していますが、例えると、病院に入院する時に病院から求められる「身元引受人」のような存在の人です。 あなたが信頼している人の中で、あなたが自分で判断して行動することができなくなった際に、あなたに代わって、あなた元気な時に考えていたことを実現してくれる人です。 「キーマン」は、同居の家族がいれば、その人が良いですし、近距離に住む親族や、友人・知人の場合があります。また、こうした人がいない場合は専門家に依頼することもできます。 あなたが、「エンディングノート」に記載した内容を実現してくれる大切な人です。ですから、あなたの「エンディングノート」の記載内容は、キーマンに話しておくか、少なくとも「エンディングノート」の存在と置き場所は必ず伝えておいてください。

介護を考える際の第二のポイントは、「在宅介護」か「施設介護」の選択です。 自分が住み慣れた自宅で介護を受けるか、または、専門スタッフがいる介護施設に入所して介護を受けるか、を選ぶことです。

まず、自宅での「在宅介護」は、家族の同意なしには実現できません。介護保険を利用すると多くの専門スタッフが自宅に来てくれて、介護を支援してもらえるのですが、すべてを見てくれませんので、家族の負担は大きいのです。この負担について、家族が同意してくれない場合は「在宅介護」は難しいです。

また、「施設介護」の場合ですが、施設には多くの種類があります。月々の利用料も6万円程度から45万円程度、とかなりの幅がありますし、また、本人の介護度により利用できる施設とできない施設があります。 そこで、施設介護を検討する場合、施設の種類とその内容を知ることが必要です。 今回、解説する施設は以下の6種類です。 ① サービス付き高齢者住宅 ② 住宅型有料老人ホーム ③ 介護付き有料老人ホーム ④ グループホーム(認知症対応型共同住宅) ⑤ 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) ⑥ 介護老人保健施設

それでは、この7種の施設を一つずつ解説します。 ☆一番目の、サービス付き高齢者住宅 比較的健康な高齢者が利用するマンションタイプの施設です。生活相談や安否確認があります。利用料は、月額で10万円~25万円程度です。 ☆二番目の、住宅型有料老人ホーム 比較的健康な高齢者が利用する、自由で快適なホテルのような老人ホームです。介護保険サービスは、外部のサービスを利用します。利用料は、月額で20万円~45万円程度です。 ☆三番目の、介護付き有料老人ホーム 介護を必要とする高齢者が利用する老人ホームです。一番目と二番目の施設が、比較的健康な高齢者を想定しているのと異なる点です。 利用料は、月額15万円~40万円程度です。 ☆四番目の、グループホーム(認知症対応型共同生活介護) 要支援2以上と認定された認知症の人が利用する施設です。利用料は、月額12万円~20万円程度です。 ☆五番目の、特別養護老人ホーム 常時介護を必要とする要介護3以上の人向けの施設です。利用料は、月額6万円~15万円程度です。 ☆六番目の、介護老人保健施設です。 介護だけでなく、医療サービスも充実した施設です。利用料は、月額6万円~17万円程度です。 なお、まだ元気で自立している「終活」の段階で対象になるのは、 一番目のサービス付き高齢者住宅 と 二番目の住宅型有料老人ホームの二つです。 それ以外は、介護度により利用が可能になる施設です。

ここまで聞いてきて、皆さんが思うのは、介護でわからないこと、困ったことが出てきた時にどこに聞いたら良いの?ではありませんか。 こうした時に相談できる窓口が、「地域包括支援センター」です。 「地域包括支援センター」は、”介護、医療、保険、福祉などに関して高齢者を支援する『総合窓口』”です。 中学校の通学範囲位の地域単位で、設けられています。 「地域包括支援センター」には、3種類の専門家が在籍しています。 ① 保健師(看護師) ② 社会福祉士 ③ 主任ケアマネージャー 介護に関してどのようなことでも親切丁寧に教えてもらえますので、わからないことがある時や困った時は遠慮せずに訪問して聞いてもらってください。 また、「地域包括支援センター」には、自由に持ち帰ることのできる、介護に関するパンフレットなどが用意されていますので、それらを入手して、目を通しておくと介護の理解を深めることができます。

今回の動画で解説したことは、介護についてのもっとも基本的なことです。しかし、これらのことを知っているだけで、急に始まることの多い介護に直面した時にパニックにならないで済むと思います。 毎日のように、新聞や雑誌、またTVなどでも介護についての情報が多く発信されています。 今日を契機に、そうした情報に触れていってください。

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