この文章を読んでくださる方は、現在、自立した生活をされておられる方が多いことでしょう。
しかし、年齢を重ねるごとに、心身の活力が低下して虚弱状態になることがあります。
また、認知症を発症して、判断力が不十分になり、法律的な行為が認められなくなることが
あります。
また、医師から不治の病と診断され、延命治療を受けるかどうか、を問われた時に、意識が
もうろうとしていたとしたら自分の意思を示せない場合もあるでしょう。
このようになると家族、親族や周囲の人は本人の意思を知ることができず大変に困ります。
たとえ、本人が自立した生活をしている時期に自分の意思をはっきり持っていたとしても、
公正証書を含め文章に残しておかないと周囲はわかりませんので、本人の意思は実現できな
くなります。
さらに、亡くなった後の葬儀の仕方、お墓のこと、また築いた財産を誰にどのように相続させ
たいのか、などの思いも、文章にして残しておかないと実現できません。
そこで、私は提案します。
お元気な今、自分の思いを以下の5つの事項について公正証書も含めて、しっかりと文章と
して残すことを心から提案します。
① 心身の活力が低下して虚弱状態になった時(フレイル状態になった時)に備えて
⇒財産管理委任契約
② 認知症になった時に備えて
⇒任意後見契約
③ 延命治療を希望しない場合
⇒尊厳死宣言
④ 葬儀、お墓、その他についての備え
⇒死後事務委任
⑤ あなたの財産を誰に、どのように相続させるか
⇒遺言書
私は、すべての人にこの5つの事項について、じっくりと考えていただきたいと思います。
そして、この5つの事項の一つずつについて、どのような取り組みの仕方をするかを決めて、
公正証書も含めて文章にしていただきたいと思います。
なお、エンディングノートを利用することも、場合によってはよろしいと思います。
ただし、エンディングノートは、法律的に効力がないので、もめごとにつながる可能性のある
遺言書などは公正証書にしてください。