先日、NHKの「新プロジェクトⅩ」で、日立製作所が英国高速鉄道(Class 395 (ジャベリン))を通じて鉄道発祥の地、イギリスで信頼を勝ち取った逆転劇を観ました。当時、日立製作所の中での鉄道事業は売り上げもわずかで、お荷物事業で他社への事業の身売りの恐れもありました。その中で、当時の事業本部長が、イギリスの鉄道事業に挑戦する以外、生き延びる方法はないと決意します。そして、いちかばちか、で当時の日立製作所の社長に進言しました。すると、社長はやってみろと、許可を出したのです。この「新プロジェクトⅩ」では、鉄道事業の社員たちの奮闘と苦労の末、イギリスの高速鉄道システムの受注成功を描いています。それはそれで、面白かったのですが、私が一番感銘したのは、当時の日立製作所の社長が、不採算部門の鉄道事業がイギリス進出に挑戦することを許可したことでした。そこで、『日立製作所』そのものに興味を覚え、手にしたのが、日立製作所の社長を務めた川村隆氏の著書「ザ・ラストマン」です。
川村隆氏は、日立製作所が7,000億円の赤字を出した後、子会社の社長から本体の日立製作所の社長に抜擢されました。
本書では、その経緯を述べるとともに、社長として仕事にどのように取り組んできたかを通して、後継の若者への助言を述べています。
・「タフアサインメント」:人材育成、人材訓練のために、厳しい業務を体験させる試みのことで、他部署や子会社の責任職につけて権限と責任をもって、業務を推進する経験がその人を成長させる。なお、子会社の副社長、他部門の副支配人では力がつかず、社長、支配人につけることを勧めている。
・また、「51点でいい」という心構えが多くの場面で自分を助けるはずと助言している。
・この本の題である「ラストマン」とは“慎重なる”楽観主義者である“”とし、以下のように例示している。コップに水が半分ある場合、「水が半分も入っているけどコップ一杯になればもっといい」考える人。さらに「コップ一杯にするにはどうすればいいかを考え、みんなを引っ張っていく人」である。
・また、“開拓者精神が成長の源泉”と述べている。常に新しい知識、技術、事業、市場の開拓をし続けなくてはならない、と。

