遺言書がなかった時①
死後事務が終了した後は、故人の相続手続きを行います。
相続手続きの第一歩は、遺言書があるかどうかを確認することです。それでは、遺言書がなかった場合から見ていきましょう。
相続人の調査・確定
⇓
相続財産の調査・確定
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(相続放棄・限定承認)
⇓
遺産分割協議
⇓
成立
となりますが、遺産分割協議が成立しない場合は
家庭裁判所での調停
⇓
不成立
⇓
家庭裁判所の審判
を経て、遺産名義変更が可能になります。
そこで、まず相続の基本知識を学んでいきましょう。
亡くなった人を、被相続人と言います。また、その被相続人の財産を相続する権利があるひとを、法定相続人といいます。
法定相続人ですが
配偶者は、常に相続人になります。
そして、
子どもが第一順位の相続人になります。
子どもや孫もいない場合は、両親、祖父母が第二順位の相続人になります。
子ども、孫、両親、祖父母もいない場合は、兄弟姉妹が第三順位の相続人になります。
配偶者とこの3つの順位の人以外は絶対に相続できません。
そして、相続財産の割合も決まっています。
配偶者と子どもの場合は、配偶者が2分の1、子どもが2分の1です。子どもが複数の場合は、均等に相続します。(子供が3人の場合は、それぞれ2分の1の3分の1ずつですので、6分の1ずつになります)
配偶者と両親、祖父母の場合は、配偶者が3分の2,両親、祖父母が3分の1です。
配偶者と兄弟姉妹の場合は、配偶者が4分の3,兄弟姉妹が4分の1です。
また、遺留分という、最低の保障割合があります。
それは、配偶者と子どもは、法定相続分の2分の1
両親、祖父母は法定相続分の3分の1
そして、これは重要でぜひ覚えておいていただきたいのですが、兄弟姉妹には、遺留分はありません。
ですから、遺言書でしっかり書いておけば、兄弟姉妹に遺産が行くことはありません。
お子さんがおられず、ご夫婦のみの場合は、遺言書で、自分の財産はすべて、お互
いに夫、または妻に相続させると書いておいてください。
子どものいないご夫婦の場合、夫または妻が亡くなると、残った夫または妻は義理の兄妹や義理の甥姪などと相続について話し合わなくてはならなくなります。
これは、大切な配偶者を亡くした直後ですから、大変な負担になることです。
遺言書があれば、兄弟姉妹、また甥姪には相続の権利がなくなりますので、このようなつらい思いをしなくて済みます。
子どものいないご夫婦は、早急に、ご自分名義の全財産を、相手の夫または妻に、すべて相続させる、という内容の遺言書を作ってください。